ミラノ最終日は「フェンディ」でピクニック気分 アルマーニの全力投球にホロリ

6月17日晴れ。今日も快晴。最高気温は32度の予想。実質わずか3日のミラノメンズは、本日が最終日。朝はドタバタのパッキング&チェックアウト。それでも朝ゴハンはしっかり食べて、「フェンディ(FENDI)」からスタートです。

190618_milano.014.webp

最近の「フェンディ」は、オフィスを構えるソラーレ通りにミラノで一番長いという全長65m(記憶によればw)のランウエイを作って、時にはインフルエンサーも呼んじゃってなんて盛大なファッションショーが恒例。というワケで、タクシーの運転手さんに「ヴィア ソラーレ。フェンディ!」と力強く伝えたら、後輩オーツカが「違いますよ」(アブナイ!)。

190618_milano.012.webp代わりに向かったのは、市内中心部から至近の公園。とは言え喧騒とは無縁の穏やかな空間で、遊歩道にはイスが並んでいます。その上には、小さなバスケット。中を開けるとパンとバナナ、それにロゴ入りカップが入っていました。どうやら今日のテーマは、ガーデニング。のどかな休日の昼下がりのように、屋外でパンをモグモグしながらショーを待ってね、と言うのです。

190618_milano.09.webpアラ⁉︎いつもの「フェンディ」とだいぶ違う。現れた洋服も、いつもとはちょっと違います。今シーズンは、ポップ&キャッチーより、ハッピー&デイリーなコレクション。詳しくは別記事で後輩オーツカと対談しています。もちろん、お土産のバスケットはしっかりいただきまして、今日は終日ピクニック気分です(ちなみに、今パリに向かう飛行機の中でも、ヒザの上にはバスケットですw)。

お次は「トム フォード(TOM FORD)」。80年代のロックテイストみなぎるエッジーなフォーマルは、「フェンディ」とは対照的。七色のレオパードスーツ、パテントレザーのブーツ、それにスキニーパンツを追求してたどり着いたレギンスなどは、男なら誰もが「かっけぇ!」って言っちゃうカンジです。

「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」では、9月に本格お披露目という「モンクレール(MONCLER)」とのコラボバッグを一足早く拝見。ベルトがダウン、斬新です。でも、ショルダーバッグとして使えば首元が冷えなくていいかも⁉︎寒くなったらベルトを外してマフラーにして、バッグはクラッチとして持っちゃえば?そんな話で盛り上がります。

「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」の展示会では、素材に注目。今期はリサイクル素材にいつも以上に積極的で、再生ポリエステル、再生ウールを使ったコートやジャケットの存在を学びます。再生ウールは、一度生地を裁断して、糸として撚り直して、また生地にしてから洋服にというステップ。原毛から商品までを一貫生産できるゼニア社でなければなし得ないサステイナビリティーです。

「C.P. カンパニー(C.P. COMPANY)」の展示会では、染料と樹脂、染料とゴムをミックスしてガーメントダイしたブルゾンなど拝見。繊細なスカイブルーのグラデーションが美しいブルゾンは、春夏の気分にピッタリかも。このブランドのブルゾンはハイネックにこだわっていること、フードをかぶった状態がデザインの完成形であることなどを知り、「へぇ」を連発です。

遅めのランチは、キヌアのサラダ(あ、写真撮り忘れた……)。このタイミングは、時差の関係で日本からのメールやLINE、Slack、そのほかSNSがひっきりなしです。

若手のショーを見ながら、近場のミラノのセレクト「アントニオーリ(ANTONIOLI)」へ。「アントニオーリ」と言えば真っ黒な店内ですが、隣にはラグジュアリーストリートを集めた真っ白の「アントニオーリ ホワイト」、その向かいには「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」や「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN))」などが並ぶ「アントニオーリ インナー(なぜ、インナー⁉︎)」と店舗拡大中。「アントニオーリ インナー」で、「アシックス(ASICS)」と「ゲーエムベーハー(GMBH)」のコラボスニーカー買っちゃいました。180ユーロ(2万1600円)。日本にはない、よね⁈

ミラノメンズのオオトリは、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」。今回はなぜか、いつものショー会場アルマーニ / テアトロを離れ、市内中心部に構える旗艦店の裏の本社でファッションショーです。

アルマーニと言えば、ほんの数週間前に日本で2020年プレ・スプリング・コレクションを発表してくれましたが、僕は残念ながらカナダ・トロント出張中でした。アルマーニさんは日本滞在を楽しんでくださったようで、ショーには着物合わせのジャケットやベスト、日本人モデルがたくさん。さまざまなカラーが溢れ、素材へのこだわりはいつも以上。ベルベットなんか肌に吸い付きそう。何よりご自身の写真入りカットソーとか、サイン入りシャツやエスパドリーユなどが出てきて“集大成”なカンジです。

御年84歳。もう現役で続けられる時間は限られている。アルマーニさんは、それをご存知なのでしょう。ここからのコレクションは、まさに一回一回が今まで以上の全力投球。そう感じ、ホロリときました。願わくば、この全力投球、少しでも多くこの目に焼き付けたいーー。そんな思いを胸に、ミラノを離れパリに飛び立ちました。

が、実は明日はフィレンツェに逆戻り!メンズコレドタバタ日記は、1日お休みして、パリメンズ2日目から再開します。後輩オーツカが、ピンチヒッターで書くかもね。

中央アジア最大のファッション・ウイークはガーリーでもストリートでも足元は“ミスマッチ”が流行

カザフスタン南東部の都市アルマトイで、2019-20年秋冬シーズンの「ファッション・ウイーク・アルマトイ(FASHION WEEK ALMATY)」が5月14~16日に開催された。アルトマイは天山山脈の支脈を街のどこからでも望むことができる大自然の宝庫で、1998年まではカザフスタンの首都だったこともあり、文化や流行の発信地として知られている。5年前から年2回開催されているファッション・ウイークには、主に中央アジアの国々から多くの人が参加している。地元カザフスタン発のブランドは、女性であることを楽しむかのようなガーリーなテイストを提案するブランドが多かったが、オフランウエイではガーリー派とストリート派に2極化した。

optimize.webpガーリー派はギンガムチェックやフラワー、ドットなど王道のプリント柄で華やかに飾る。ストリート派はサイクリングパンツやウエストポーチ、カーゴパンツといったトレンドアイテムを用いたスポーティーな要素が強い装いだ。他の都市と同じくダッドスニーカーが支持されており、「ナイキ(NIKE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の着用率が高かった。ガーリー派はスニーカーをハズしのアイテムとして取り入れているのに対し、ストリート派はミュールやパンプスで足元を飾るなど、あえての“ミスマッチ”なスタイリングはどちらにも見られた。

optimize.webp (1)着用ブランドで断然多かったのは、女性は「ジャックムス(JACQUEMUS)」、男性は「バレンシアガ」と「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL)」で、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」のベルトやバッグなどの小物は男女ともに愛用者が多かった。