ラコステの創始者であるルネ・ラコステ氏が考案した、襟付き半袖シャツの起源とされる「ポロシャツ」。着こなしにスポーツテイストをプラスでき、スーパークールビズのシーズン(6/1〜9/30)にはビジネススタイルでも活躍が期待できる夏のメンズファッションにおける鉄板アイテムだ。今回は「ポロシャツ」にフォーカスして、注目の着こなし&アイテムを紹介!
ポロシャツの原点は、その名の通り英国伝統競技である”ポロ”のプレイヤーのユニフォーム。 1個~4個のボタン付きの前立てが施されたプルオーバーシャツの形状で、Tシャツほどラフ過ぎず、シャツほどかしこまらない絶妙なバランス感が魅力だ。ちなみに、襟の前立ては短冊開きとも言われている。素材は鹿の子編みのコットン素材が多いが、それ以外にも麻や化学繊維を混紡することで風合いや清涼機能を搭載させたり、フライス編みで伸縮性をもたせたものも。吸汗性に優れているため夏には欠かせない定番アイテムだ。
現在のような形のポロシャツを発明・普及させたのは、フランス人テニスプレイヤーとして活躍し、アパレルブランドであるラコステの創業者でもあるルネ・ラコステ氏。テニスにおけるフランス四銃士の1人でグランドスラム優勝を7回を果たした彼は、1929年に25歳という若さで突如引退。原因は結核。テニスの試合中によく風邪をひいていたという彼は、テニス選手のユニフォームであった吸汗性の悪いブロード製の長袖シャツにその原因を感じ不満を持っていた。そして何より動きづらいことにも。
そこで彼は、吸汗性と伸縮性にすぐれたポロ競技のユニフォームに着目。テニス競技用に仕立て直してリリースしたところテニス仲間に大ヒット。その後、ラコステ氏と結婚することになる女子ゴルファー、シモーヌ・ティオン・ド・ラ・ショーム氏が着用したことからゴルフ界にも急速に広がることに。(以上の背景から欧米では、Tennis shirtとかGolf shirtと呼ばれることもある。)世界初のポロシャツメーカー”ラコステ”が世に誕生した背景には、「一流選手による古臭い伝統の打破」というストーリーが存在した。ちなみに、ラコステのアイコニックロゴでもあるワニマークは、ラコステ氏の粘り強いプレースタイル「喰らいついたら離さない!」にちなんで彼につけられたニックネーム”The Alligator“をモチーフにしている。
素材感やカラーもベーシックなアイテムで統一したシンプルコーデは、よりサイズ感やシルエットといった基礎的なポイントが重要なファクターに。無地×無地アイテムでまとめたこちらの御仁は、フィットシルエットのポロシャツに、脚を美しく補正するようなテーパードシルエットのアンクル丈スラックスをセット。不自然なシワを作らない洗練されたサイズ感とシルエットのアイテムチョイスで、ワンランク上のコーディネートに仕上げている。
グルカ兵というネパール人兵士が着用していたミリタリーパンツをルーツに持つグルカパンツ。ベルトレス仕様で股上が深く、ゆったりとしたシルエットは、イマのドレススタイルの気分にピッタリだ。ポロシャツと組み合わせれば、キレイ目な印象をキープしたまま、ミリタリーテイストもプラスできる。ピッティウオモでも、ポロシャツにグルカパンツをセットして会場を闊歩する洒落者の姿が散見された。
ともすれば単調な印象を与えがちなワントーンコーデ。マンネリを打破するなら、セーターやシャツの腰巻・肩掛けのテクニックを活用してみるのがオススメだ。下の御仁は、ケーブル編みのセーターをポロシャツの上に肩掛け。ネイビーのワントーンでまとめながら、さりげないシルエットの変化で脱定番を表現したスタイリングの好例だ。
モノトーンのジャケパンコーデにポロシャツのインナー使いでスポーティテイストをプラス
グレージャケットにブラックポロシャツ、白パンツ、ブラックシューズを合わせたモノトーンコーデ。無彩色アイテムの組み合わせながら、アイテムそれぞれの織り柄やテクスチャーの違いで表情豊かに仕上げたテクニックが光る。袖口の本切羽ボタンを二つ外したさりげない崩し技も◎
タックアウトはもちろん、タックインで着こなしても違和感なくキマるポロシャツ。旬なベルトレス仕様のパンツと組み合わせれば、感度の高い洒脱な夏のコーディネートが手に入ることうけあいだ。こちらの洒落者のように、足元をあえてスニーカーでハズすのもグッド。
ネイビーのポロシャツに、ラルディーニのネイビーシアサッカースーツを合わせて、ドレス感の高いトーンオントーンコーデを表現。スーツをカジュアルに着こなしたいけど、上品な印象はキープしたいとお考えの諸兄はぜひ、こんなトーンオントーンのスタイリングを参考にしてみてはいかがだろうか。足元にはメッシュアッパーのブラウンスニーカーをセットして、涼感と同時に洒脱なコントラストをきかせて。
ロゴドンなどのインパクトのあるデザインが注目を集めているここ数年。ポロシャツも今季はロゴ入りのアイテムを取り入れてみてはいかがだろうか。例えば、下の御仁が着用しているようなバーバリーのポロシャツ。2018年に発表されたばかりの新ロゴが施された話題性のあるポロシャツだけあって、直近のピッティウオモでも注目を集めていた。
ポロシャツの前立てに配されたボタンを全て閉じて首元を詰めれば、コーデが誠実な印象に。テキスタイルデザインが加わった遊び心のあるポロシャツも、ボタンを全て閉じればご覧の通り。クールビズなど、ラフだけど少しキレイ目に装いたいシーンに、ぜひ取り入れを検討してみてはいかがだろうか。ボトムスにはスラックスを合わせてキレイ目に。
ベージュジャケットにネイビーポロシャツをセットして、コントラストをきかせながらコーデを引き締め。パンツもネイビーを取り入れることでまとまりのある雰囲気に。色味でコントラストをきかせながらも、ジャケットとパンツに施した洗い加工の風合いでギラつき過ぎない手慣れ感を演出した絶妙なバランス調整が見事だ。
パンツの中でも圧倒的な抜け感とラフ感を演出できる夏の定番アイテム「ショートパンツ」。ラフ過ぎて小僧な印象を与えないためにも、トップスは大人顔にキマるアイテムをチョイスしたい。例えば、ニットポロシャツの取り入れ。鹿の子やフライスとは一味違うセーターのような品のある佇まいが、コーデをアップデートしてくれること間違いなしだ。
定番カラーと同等に使いやすく、男の渋みを引き出してくれるブラウンスーツ。そんなブラウンスーツにもポロシャツの取り入れは有効だ。Tシャツインナー使いほどかしこまり過ぎず、タイドアップほどキメ過ぎない絶妙なこなれ感のある雰囲気をコーデにプラスしてくれる。こちらのスナップのようにネイビーポロをチョイスすれば、イタリアの洒落者ご用達のアズーロ・エ・マローネに。
袖口が絞られたフィト感のあるシルエットのポロシャツに対して、ボトムスは腰元にプリーツがふたつ施されたワイドシルエットのパンツを合わせて、シルエットにメリハリをつけたコーディネート。ポロシャツに施された表情のあるテクスチャーやカラーサングラス、変形シューズの取り入れで個性を際立たせたテクニックも参考にしたい。
インナーにレッドのポロシャツをセットして新鮮なスーツコーデを表現したのは、ラルディーニのニットデザイナーを務めるアレッシオ ラルディーニ氏。旬なブラウンスーツにも意外に好相性な赤ポロシャツ。定番カラーはもうすでに手持ちにある方はぜひ、こんな攻めた色味にも挑戦してみてはいかがだろうか。
ポケットの装飾がプラスされたカーゴパンツとポロシャツを組み合わせた、武骨スポーティなコーディネート。シンプルな無地アイテムの上下合わせなら、こんなディテールをプラスしたアイテムで脱定番を狙ってみるのもオススメだ。足元には白コート系スニーカーをセットして抜け感を。
ベージュジャケットよりもワントーンアップしたポロシャツをインナーにセットして、夏らしいグラデショーンを表現したジャケパンコーデをピックアップ。ボトムスにはダークトロピカル柄のパンツをセットしてアク足し。土色コーデでも地味に仕上げない絶妙なスパイスのきかせ方は、ぜひ参考にしたいところ。
定番の鹿の子ポロよりもドレッシーな気分をアップさせたいという方は、ニットポロシャツをコーデに取り入れてみるのがオススメだ。セーターのような上品な顔立ちでコーデをキレイ目に仕上げてくれる。ボトムスにスラックスを合わせれば、シンプルかつ大人顔の夏コーデが完成だ。
黒ポロシャツにグレーパンツ、白スニーカーと、下半身にむかって徐々にトーンアップするようにアイテムを組み合わせて、無彩色のグラデーションを表現したポロシャツコーデ。スポーティなアイテムの組み合わせながら、モノトーンでアイテムを絞ることで都会的なムードを演出している。
ブラウンのポロシャツにネイビースラックスを合わせて、アズーロ エ マローネを表現したコーディネート。肩が落ちたオーバーサイズのポロシャツをタックインして品をキープしながら、フロントボタンは全開けで抜け感を演出してエフォートレスな気分に。
洗い加工が施されたポロシャツは、カジュアルなスーツスタイルのインナー使いに最適
リネンのホワイトスーツスタイルにブラウンポロシャツをセットしてこなれた印象に仕上げたアレクサンドロ・スクアルツィ氏のコーディネート。洗い加工が施されたポロシャツをインナーに取り入れることで、こなれた雰囲気をグッと高めている。足元にはクロコダイル柄のタッセルローファーをセットしてアクセントをプラス。
鮮やかな発色のカラーポロシャツをスーツのインナーに取り入れて、華やかなスパイスをきかせたコーディネート。ワイドなピークドラペルのジャケットやプリーツ入りのスラックスなど、クラシックなスーツならではのディテールとブラウンベースのチェック柄、そして柄の色を拾うようにチョイスしたポロシャツで、洒脱なムードをグッと高めている。色味はブルーとブラウンの2色でまとめているため、華やかでもまとまりのあるスタイルに。
ミリタリーグリーンのポロシャツをセットして旬度を高めたネイビースーツコーデ
ミリタリーグリーンのポロシャツをネイビースーツのインナーにセットして、旬度を高めたカジュアルスーツスタイル。海軍の「ネイビー」と陸軍の「グリーン」の組み合わせだけに、どこか男らしさも漂う印象に仕上がっている。足元には英国靴のような重厚感のあるダークブラウンのプレーントゥをセットして。
編み柄入りのブラウンポロシャツでコーデに奥行きを
凹凸のある編み柄入りのポロシャツなら、コーデに奥行きをプラスできること間違いなし。下の御仁は、ドレス界隈で注目を集めているブラウンの編み柄入りポロシャツをチョイスして、コーデに表情をプラスしている。ボトムスはチノパンとデッキシューズを合わせて、リラックス感を演出。
ホワイトニットの腰巻きでさりげないアクセントをプラスしたモノトーンポロシャツコーデ
ホワイトのポロシャツにブラックパンツをセットしたモノトーンの組み合わせに、ホワイトニットを腰巻きしてアクセントを加えた着こなし。注目すべきは袖をねじった巻き方。着こなしを洒脱にアップグレードできる腰巻きアレンジだが、巻き方に一工夫加えればこなれ感溢れる印象に仕上がる。ポロシャツと色を合わせて主張を控えたさりげなさも◎
夏のスーツスタイルにポロシャツを取り入れてカジュアルダウン!
夏のスーツスタイルをカジュアルダウンするアイテムとしてポロシャツは有力な選択肢だ。Tシャツやスニーカーでとことんカジュアルダウンするのももちろんアリだが、スポーツウェアならではの軽快な雰囲気をまといながら襟のついたデザインでほどよく品のある印象を与えることができる。
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ブレスレットの重ね付けでシンプルなポロシャツコーデに武骨さをプラス!
シンプルにまとめた夏の着こなしには装飾性が欲しくなるもの。たとえば、ホワイトのポロシャツにホワイトパンツを合わせた白コーデにはブレスレットなどのアクセサリーをプラスしたい。単体付けももちろんアリだが、こちらの御仁のように重ね付けして武骨さを演出するのも一興だ。
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全体をネイビーで統一して洗練度を高めたスーツ×ポロシャツコーデ
ネイビースーツのインナーに同色のポロシャツをチョイス。スニーカーまでネイビーで統一することで着こなしの洗練度を高めている。ブラウンのソール、シューレースが採用されたスニーカーをセトすることでさりげなくイタリア人の十八番であるアズーロエマローネを表現。
ブラック×ホワイトのコントラストに加えてサイズ感でメリハリをきかせたポロシャツコーデ
ブラックのポロシャツにホワイトパンツ、ブラックのプレーントゥシューズを合わせたモノトーンコーデ。ブラック×ホワイトでコントラストをきかせるとともに、タイトなポロシャツとルーズフィットのパンツでメリハリのあるシルエットを表現している。
ネイビーとオリーブグリーンでコントラストをきかせたカラーリングが新鮮なポロシャツコーデ
ネイビーのポロシャツとミリタリージャケットでコントラストを表現したコーディネート。オリーブグリーンなどのミリタリーカラーはホワイトを合わせてクリーンに着こなすのが定番だが、ネイビーなどのシックな色味を合わせて新鮮な印象に仕上げるのも◎
コロニアルカラーでまとめたジャケパンスタイルをホワイトのポロシャツでクリーンな印象に
ブラウンジャケットにベージュのチノパンといったコロニアルカラーでまとめたジャケパンスタイル。インナーにホワイトのポロシャツをチョイスすることで、土っぽい色合いの着こなしをクリーンな印象に。コットン素材で仕立てられたラフなジャケットの雰囲気と、スポーツウェアながらも襟付きのデザインがほどよい上品さを漂わせるポロシャツが絶妙にマッチしている。
ドロップショルダーのポロシャツでエフォートレスなムードを演出したコーディネート。ラフになりすぎないよう、フロントボタンをすべて開けずに一番下だけ残した絶妙なバランス感覚は参考にしたいポイントだ。補色関係にあるネイビーとベージュを組み合わせてスパイスをきかせたカラーリングにも注目。